選ばれ続けた理由
このCircuit 68Lというバックパックは重さ1,092gです。
他のULバックパックと比べて重い。
今回は
「パックパックの老舗メーカー”ULA”が1kg超えのバックパックを作る理由」
「なぜ4年間もPCTで一番人気なパックになったのか」
その理由を説明していきます。
ULA
僕が持っているのはULAのCircuitですが、まず軽くULAの話。
ULA(Ultralight Adventure Equipment)は、アメリカのユタ州ローガンに拠点を置くバックパックメーカーです。https://www.ula-equipment.com
1999年にPCTを歩いたハイカーが2001年に創業。
2019年に旅行用、日常用を作るまでの18年間ロングトレイル用のバックパックのみを製作。
2017-2020の4年間、PCTとCDTでMost Popular Gear List。
世界で1番と2番目に有名なトレイルで一番人気なパックってことですね。
2020年に経営者は変わり、2009年のATスルーハイカーになった人物。
100% Made in USAにこだわりを持っているULAのパックの1番の特徴は
軽くない!ってとこですw
名前にウルトラライトって入っているのに軽くない理由は「快適性」とのトレードオフです。
ここでいう快適性はフィット感だったり、実数値での重さではなく背負った時の重量感です。
「実数値での重さではなく背負った時の重量感」ってのが説明しづらいんですが
同じ5kgの物を持つ時でも手を伸ばして持つか、胸の前で抱えて持つかで重く感じる度が違いますよね。極端な例ですが、そういうトルクや重心位置とかでバックパックは感じる重さが変わってきます。
ULAは他のULブランドよりも実数値よりもそういう面にフォーカスしてます。
ですがULに疎いブランドかと言われたらそうではないと思います。
創業者が1999年にPCTを歩いた時は12 lb (5.4 kg)ゴールしたそうです。
あの時代に6kg切ってんのは頭どうかしてますね。
「ULハイカーが理想のバックパックを作ったら重くなった」っていうストーリーが僕の購入に至った理由です。

Circuit
ULA「Lets’ face it, every mother has a favorite child – ours is the Circuit.」
アメリカのスルーハイク界において「最も完成されたバックパックの1つ」と称される、ブランドの顔とも言えるモデルです。

靴下乾かし中
「ULすぎると背負い心地が損なわれる、でも1.5kgを超えるような重いのは嫌だ」というワガママハイカーの希望を形にした、絶妙なバランスが最大の魅力です。
おれが持っているのは2024年にリリースされたタイプで現行と少し仕様が変わっているところもあると思います。型はベーシックな400b ROBICのものです。
スペック
重さ:1,092g
最大荷重:16kg(13.5kgスイートスポット)
If you have your total pack weight down around 30 pounds and want to feel the freedom of traveling light, this is the pack for you.
合計容量:68L
- メイン本体:39.3 L
- フロントメッシュポケット:6.6 L
- 左サイドポケット:6.6 L
- 右サイドポケット:6.6 L
- ロールトップ部分:8.2 L
- 左ヒップベルトポケット:1.5 L
- 右ヒップベルトポケット:1.5 L
生地
主に3つのファブリックで構成されています。
ULA 400 ROBIC
特徴は2つ。1つは耐久性。UltraやXpacを扱っているULAがthe toughest standard fabric we’ve ever seen.と言っています。2つ目は防水性。表面はPFAS free DWR coating、裏面はPU Coatingを3回重ね塗りしています。このような特徴がありながら軽量で低価格というのが相まってULAのメインファブリックになっています。

ULTRASTRETCH™ MESH
これも特徴は2つ。1つ目は伸縮性。何も入れていない状態では枝に引っかかるようなシワはできないが、それでも容量は6.6L確保している。2つ目は耐久性。「超高分子量ポリエチレン」という鉄の数倍の強度を持つと言われる最強の繊維を混ぜ込むことで、メッシュの最大の弱点だった「岩や枝での引き裂き」を防ぎます。大きな穴がないメッシュなのでそもそも引っかかりにくいメッシュですが引っかかった場合にも穴が空きずらい素材になってます。

ポケット
ポケットは、バックパックサイドのポケットと腰ベルトにあるポケットの計4つ。
表記では6.6Lと1.5Lとあるが体感はかなり小さめ。
これはネットで買おうととしてる人は要チェック。
写真ではこんな感じ。サイドポケットはスマートウォーターは2本くらい入りますね。
Durston Dome2がぴったり入るサイズです。

店頭で実際に見せてもらうこともできます。
おれは自分のポールとかトライポッドとか持っていってどれくらい入るか確認しました。
ウエストポケットも小さめ。
iphone13や財布、windshellとか入れてました。小型のカメラも入りますね。


これの面白いところは、チャックを開けていても物が落ちにくいところ。
構造がどうなっているのかは分かりませんが、開いた状態で歩いていても一度も落ちませんでした。
渡渉や雨の時以外はほとんど開いたままでした。アクセスしやすくて落ちないのは助かりましたね。
開け口&メインボディ
純粋なロールトップ。ベルクロなし。
上で簡単にまとめることもできるし、左右のストラップを使用しコンプをかけることもできます。

長さが結構あるので8L程度の調整が可能です。
一番小さくすればが30L近くまで小さくなる。
ですがこのメインボディ39.3Lも逆の意味で怪しい。笑
これも体感ですが39.3Lよりも大きい気がします。
これだけ入れてこんな感じ。縦横に長いってよりも奥行きがあるバックバックです。
フレーム
Circuitにはアルミフレームとカーボンフープの2本のフレームが入っています。
ULAのサイトではパックをフレームドパックとフレームレスパックで分けています。
展開数からみてもフレームドパックの方に力が入ってることがわかります。
ここでフレームの役割をさらっとおさらい。
フレームの有無は腰荷重になるか肩荷重になるかを左右する重要なパーツです。
なぜフレームがないと肩荷重になるかというとTorso Collapseというメカニズムが原因です。
Torso :意味:胴体、体幹
Collapse:崩壊、潰れる、衰弱、折り畳み
ようはバックパックのボディが潰され崩壊するってことです。
それが起こる理由は歩行時における上下運動が関与します。
これが成人では4〜5cm程度上下すると言われています(立脚中期-両脚支持期)
この上下運動により柔らかいパックは縮むように圧縮されます。
この時にフレームがないと縮んだ分の重みが全て肩に乗っかります。
この縮むようなことをTorso Collapseといいます。
ですがフレームがあると縮むベクトルのエネルギーをフレームが防止してTorso Collapseの発生を抑え腰ベルトに荷重が分散されるというメカニズムですね。
「じゃあパンパンに荷物を詰めて縮まらないようにしたらいいじゃん」
って疑問が出ると思います。理論上可能ですが現実はほぼ不可能らしいです。
理由はバックバックの中身の多くがダウンや服類といった柔らかい素材だからです。
伸縮する素材を入れている以上なかなかフレームレスでTorso Collapseゼロを目指すのは難しいと思われます。
ダーストンからの推奨では「フレームレスの限界は9kg」と言われています。
この9kgはベースウェイトではなく、トータウウェイト。
6kgのベースウェイトで5泊以上になる山行がある場合はフードで3kgというのはほぼ不可能なので、余程肩が発達しているguyじゃないと難しい。
じゃあロングトレイルで「フレームレス腰ベルトなし」を見なかったかと言われたらゼロではありませんでした。
99%はフレームドパックでしたが3人だけ、フレームレスに会いました。
1人はベースウェイト4kgのアメリカ人トリプルクラウナー。hill top Dirty 30
もう1人はcold soakで歩いているベースウェイト4.7kg台湾人。PA’LANTE desert pack
※cold soak:ガスとクッカーを持ち歩かずに火を必要としないトレイルフード
最後の一人は終始ずっとパックが左に潰れている〇〇人。PA’LANTE desert pack
彼女とは話していないのでベースウェイトはわかりませんでしたが状態はあまり良くなさそうに見えました。
腰ベルトのないパックの魅力はわかりますが、「ロングトレイルにおいては」知識や覚悟なしで腰ベルトなしのパックを選ぶのはあまりおすすめできないかもしれません。

自分のベースウェイトだけでなく、最大山行日数を考慮してパックウェイトを想定してフレームの有無を決めることが、歩いている時の「楽」「楽しさ」につながると思います。
おれはベースウェイト6kg、カメラ機材3kgだったのでフレームドパックのCircuitを選びました。
調節ストラップ
ショルダーストラップ
どのバックパックにもついていて脇腹あたりからバックパック底面に繋がっているストラップ。腰荷重と肩荷重の過重量を調節できるストラップ。
ロードリフターストラップ
バックパックとショルダーストラップとの間にあるストラップ。パックを身体に近づけるように作用するストラップ。その間隙の角度が45°〜60°あたりににあるように推奨されている。ULパックだと省かれていることもあるが、重量が増えるとパックが後ろに倒れるベクトルが強くなるのでより必要性が高まる。

コンプレッションストラップ
主な用途はサイドポケットに入れた長物の固定。パックしているギアが少ないときに内部で揺れるのを抑えるためにコンプをかける役割もある。
ロードスタビライザーストラップ
ヒップベルトとバックパックの間にあるストラップ。ロードリフターストラップの腰バージョン。バックパックを体に近づけ、荷重の負担感を抑え安定性が向上。また細身の人にとっては腰ベルトが上前腸骨棘にあたり痛い場合や腰ベルルトを調節したい場合に役立つ。
おれがロングトレイル用にバックパックを選んでいる時の条件として「ロードリフターストラップがあること」を決めていたが、Circuitのした理由の一つに「ロードスタビライザーストラップがあること」がある。
それまで使っていたULパックで感じたことだったが、パック自体の重さより「いかに背負ったときに重く感じないか」の方が重要である。
2泊3日程度であれば腰ベルトのない自由さを選べるパックウェイトになるが、長距離になるとそうはいかない。「腰ベルトがあり、荷重分散、安定感、負担感の抑制、が考え込まれたバックパック」の方が結局は効果がでかい。気がする。

ULパック(500g)+ギア(10000g)=トータルウェイト10500g
Circuit(1092g)+ギア(10000g)=トータルウェイト11092g+安定感
1日ロードを40km歩く上での快適性とは「592g差<<<安定感」であると考えた。
フィット感
これらのストラップのおかげでフィット感はかなり高い感じがします。
腰ベルトや肩のあたりにまっすぐ荷重が乗り左右のブレも抑えられている気がします。
下ろす時や担ぐときにこんなに重いパックを運んでいたんだなと思い出されるくらい歩いている時は体に馴染んでます。
これは体感や個人差がある感覚の問題なので評価が難しかったり別れたすると思います。
ですがおれがパック選びで一番重要視したのは「フィット感」です。
肩が痛くなりやすいタイプなので荷重分散が快適につながると考え
色々なパック店頭で試着させていたもらいこれに決めました。
日本は本当に色々なパックが試着でき、特にアジアや北米のパックが豊富ですね。
なので実際にお店で試着させてもらうのがいいと思います。
ちなみに比較したのは
gossamer gear gorilla 50、Zpacks Arc Haul 60、Durston Kakwa 55 UltraGrid、Hyperlite Mountain Gear windrider 55、Bonfus Framus 58L、MIYAGEN CREST 40あたりです。
特にMIYAGENさんのパックはかなり迷いました。こちらのパックもかなり工夫されていて、かなり魅力的でした。
腰ベルト
これは比較対象が何かで評価が分かれそうです。
オスプレーなどのメガブランドのようなクッションは付いていません。
ですがULパックと比べるとかなり肉厚のあるクッションがついてます。
ロングトレイルで7kgくらい落ちてしまい、最終的には腰に肉がなくなり痛めることもありました。
痩せることを見越したらもう少しクッションがあると僕的には嬉しいですね。
外国人や女性には十分なクッションが備わっていると思います。
背負い心地
抜群にいいです。
新しいパックを買うことはあっても、これを手放して他のパックを買うことはないと思います。
僕はこれ一つでノルウェーワーホリに来ていますが、容量が多いこととパックの汎用性が高いことがhoboスタイルの旅にもフィットしてます。
無茶して16kgを超えるパッキングをしている時もありますが、背負い心地の良さが助けてくれている気がします。
うまく表現しにくい分野ですのであくまでも参考程度で、実際に体験してもらうのがいいと思います。
耐久性
Circuitを使って2年くらい。110日のロングトレイル。6ヶ月の山小屋生活、111日の地球半周。
と、この2年はこいつと共に生活する時間が多かったです。
ニュージーランドの藪漕ぎ、12回の飛行機などの場面がありましたが
今の所傷はこれだけ、岩稜帯でこけたときに擦りました。

期間は短いですがおそらく他の人よりも使用頻度は高いと思います。
大事に使っている部分はありますが、今のところ綺麗な状態でいてくれてます。
この傷も直さずに一緒に歩いていくと思います。
汗抜け
背面パットがありメッシュ構造になってます。
これにより汗抜けを促しています。風が強く、日光が当たる時はすぐに抜けてくれます。
ですが滝汗の時はフィット感が逆に蒸れにつながります。
暑い日や抜けが悪そうな環境では効果は低かすw雨と考えていいと思います。
もちろん背面パッドがないパックとは比になりませんが
匂い
2年間1度も洗ったことがありません。ニッコリ
レインカバーをしない派でびしょ濡れになったことも、俺の汗まみれになったこともあります。
そのあとは激臭です。背負う時に躊躇いが出ます。
でもなぜか乾くと臭いが蓄積しません。これもファブリックのおかげなんですかね。
理由はわかりませんが、あまり匂いか残りずらいのかな。
変身:デイバック化
このパックの面白いところは腰ベルトの着脱が可能ってところです。

日帰りやタウンユースでは腰ベルトを外してデイバックとして使えます。
腰ベルトをの煩わしさがなくなってめちゃくちゃいいですが、そもそもパック自体が大きいので違和感は若干残ります。笑
Circuit SV
最近新しく出たSVはSmall Volumeの略 。
48Lで主にサイドポケットとフロントメッシュの容量が小さくなっている感じ。で少し奥行きも減っているのかな?
これの実物は見たことありませんがかなり良さそう。3〜5泊の行程を想定して作られているようですが、7kg台のパックであれば問題なさそう。
2024年に出ていたらこちらも比較対象に入っていたかも、てかこれ買ってたかも。
Circuit CDT違い
ここには明確な目的の違いがあります。
Circuit:パックウェイトが13kgくらいになる想定。重量を担いでも快適に。
CDT:パックウェイトが10kgくらいが想定。パッキング技術でフレームレスをカバーし、少しでも軽いパックを目指す。
熟練ハイカーにはCDTの方が工夫しがいがあって面白いかもしれませんね。
注意点:CDTには「ロードリフターストラップがついていないこと」「腰ベルトの着脱ができないこと」
バックパック
僕が思うにバックパック=家だと思います。
バックパッカーやハイカーだけではなく単純に荷物を運ぶものとして使っている人にも言えること。
次に自宅に帰るまで家にある一部の必要な物を持ち歩く入れ物。
それが1時間だったり、1日だったり、1カ月だったり、1年だったり。
10年になると流石にバックパックじゃなくてキャリーケースになる気がする。笑
その期間生活に必要な物のみで生きていく。携行性を兼ね備えた家です。
居住地という意味の家ではなく、ストレージとしての家。
その家にはそれぞれいろいろなギミックがあります。
クローゼット(スタッフサック)、キッチン(クッカー)、冷蔵庫(フードバック)、玄関(開け口)、アクセスのいい物置(ポケット)
なんて具合で例えることもできます。
なんで今回は僕の家の建物探訪をしていこうと思います。
中身のギアも一緒にやるとエグい量になるので今回はバックパックのみ紹介しました。
バックパック選びの参考になればと思います。

まとめ
とまあ僕の家の構造を説明してきたんですが一番気に入ってるポイントは「見た目」です。
見た目がかなりいけてね?って感じで選びました。
歩いててもそのバックバックいいねどこの?って聞かれることもたまにあります。
緑と黄色のコントラストも綺麗で可愛さもあります。
そんな愛くるしい見た目をしながら包容力もあるという理想の彼女ですね。
ずっと背負っていても苦じゃないです。これからもこいつとニコイチで頑張ります!




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